うつ病と抜け毛・薄毛の関係性|抗うつ薬についても解説

うつ病と抜け毛・薄毛の関係性について解説します。

最近、気分の落ち込みだけじゃなくて、抜け毛まで増えてきた気がする…

抗うつ薬を飲み始めてから髪が薄くなったような…。

これって薬のせい?それともストレス?

うつ病の発症や治療過程で、抜け毛や薄毛の悩みを抱える方は少なくありません。

精神的ストレスやホルモンバランスの変化、さらには抗うつ薬の副作用など、原因は複数にわたります。

本記事では、うつ病と抜け毛・薄毛の関係性を医学的な観点から解説し、考えられるメカニズムや対処法を紹介します。

適切な治療とケアを行うことで、心と髪の両面から回復を目指すことが可能です。

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うつ病と抜け毛・薄毛の関係性

うつ病と抜け毛・薄毛は、一見関係がないように見えて密接につながっています。

精神的ストレスによるホルモンや自律神経の乱れ、生活習慣の変化、薬の影響など、複数の要因が重なって髪の健康に影響を及ぼすことがあります。

ここでは、特に自律神経の乱れと生活習慣の変化による影響を詳しく解説します。

自律神経の乱れが頭皮に影響を与える

うつ病になると、自律神経のバランスが乱れやすくなります。

自律神経は血流や皮脂分泌をコントロールしており、乱れることで頭皮の血流が悪化し、毛根に十分な栄養が届かなくなります。

その結果、髪が細くなったり、抜け毛が増えることがあります。

さらに、ストレスによって交感神経が優位になると、血管が収縮し、頭皮環境の悪化を招く悪循環に陥ることもあります。

関連記事 ▶ ストレスで抜け毛が増える原因は?AGAとの違いや回復期間についても解説

うつ病による生活習慣の変化が抜け毛の原因になることも

うつ病を抱えると、食事や睡眠などの日常生活のリズムが乱れやすくなります。

食欲の低下による栄養不足や、睡眠の質の低下が続くと、髪の成長に必要なエネルギーや栄養が不足し、抜け毛が進行することがあります。

また、入浴や頭皮ケアの習慣が疎かになることも、頭皮環境の悪化につながります。

こうした生活習慣の変化が、気づかないうちに薄毛の一因となるのです。

うつ病による代表的な抜け毛・薄毛の症状

うつ病に伴う抜け毛や薄毛には、いくつかのタイプがあります。

精神的ストレスやホルモンバランスの変化、自律神経の乱れなど、複数の要因が作用することで、脱毛の現れ方も人によって異なります。

ここでは、うつ病と関連の深い代表的な脱毛症の種類と特徴を解説します。

びまん性脱毛

びまん性脱毛は、頭全体の髪が均一に薄くなるタイプの脱毛症です。

強いストレスやホルモンバランスの乱れなどによって毛周期(ヘアサイクル)が乱れ、成長期の毛が減少することで起こります。

うつ病による自律神経やホルモンの変化が影響し、髪のハリ・コシが低下して全体的にボリュームが減るのが特徴。

男女問わず発症しやすく、回復には一定の時間がかかる傾向があります。

円形脱毛

円形脱毛は、突然、円形または楕円形の脱毛斑ができる症状です。

強いストレスや免疫バランスの乱れによって、毛根が自己免疫反応で攻撃されることが原因とされています。

うつ病の人はストレスホルモンが高まりやすく、免疫の働きが不安定になるため、円形脱毛が起こるリスクが高くなります。

休止期脱毛症

休止期脱毛症は、強いストレスや体調不良をきっかけに成長期の毛髪が早期に休止期へ移行してしまう脱毛症です。

うつ病によるストレスや睡眠不足、栄養不良が続くと、髪の成長サイクルが一時的に停止します。

その結果、シャンプーやブラッシングの際に大量の抜け毛が見られるようになりますが、原因を取り除けば自然に回復するケースもあります。

トリコチロマニア

トリコチロマニアは、強いストレスや不安を感じた時に自分で髪を引き抜いてしまう行動が繰り返される症状です。

うつ病や不安障害と併発することが多く、無意識のうちに抜毛行動を続けてしまうケースもあります。

心理的なケアや専門的な治療を行うことで、改善が見込まれます。

頭皮トラブルによる抜け毛

うつ病による生活リズムの乱れや栄養不足、過度な皮脂分泌などが重なると頭皮環境が悪化しやすくなります。

フケ・かゆみ・炎症などの頭皮トラブルが続くことで、毛根がダメージを受け、抜け毛が増加することがあります。

特に、ストレスによる免疫低下は皮膚のバリア機能を弱め、炎症性の脱毛を引き起こすこともあります。

AGAが複合している場合もある

うつ病による抜け毛に、AGA(男性型脱毛症)が重なっているケースもあります。

精神的ストレスやホルモンの乱れが、もともと進行していたAGAを悪化させることがあるため、原因を正確に見極めることが重要です。

皮膚科や専門クリニックで診断を受け、ホルモン治療や外用薬を含めた総合的なケアを行うことが推奨されます。

抗うつ薬は抜け毛の原因になる?

うつ病の治療に使用される抗うつ薬には、まれに抜け毛や薄毛といった副作用が報告されることがあります。

すべての人に起こるわけではありませんが、薬の種類や体質によって毛髪の成長サイクルに影響を及ぼす場合があります。

ここでは、抗うつ薬がどのように抜け毛を引き起こす可能性があるのか、そして注意すべき薬剤について解説します。

副作用として抜け毛や薄毛の原因なることがある

抗うつ薬は脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、気分の安定を促します。

しかし、この作用がホルモンや自律神経に影響し、毛根の成長周期に変化をもたらすことがあります。

結果として、一時的に髪が抜けやすくなる休止期脱毛が起こる場合があります。

また、薬の影響により肝機能や栄養吸収が低下すると、毛髪の再生が遅れるケースも見られます。

監修医師コメント
尾内 隆志
尾内 隆志

副作用による抜け毛や薄毛は一時的なものであることが多いですが、薬剤の種類を変更することで改善する場合があります。

抜け毛が気になる方は、医師の判断のうえ、薬剤の見直しをするのも一つの手段でしょう。

抜け毛・薄毛の副作用がある薬剤

抗うつ薬の中には、抜け毛や薄毛の副作用が報告されるものがあります。

発生頻度は高くありませんが、治療経過で気づく方も少なくありません。

以下は代表的な薬剤と、その特徴をまとめたものです。

薬剤分類代表例脱毛副作用の特徴 / 発現リスク
三環系抗うつ薬アミトリプチリンなどIGF-1減少・抗コリン作用・抗ヒスタミン作用により脱毛リスクが高い
SSRIパロキセチン、フルボキサミン、エスシタロプラムなどIGF-1減少・抗ヒスタミン作用、体質による差あり
SNRIデュロキセチン、ミルナシプランなど神経伝達物質調整によるIGF-1減少、一般的にはリスク中程度
抗不安薬ジアゼパムなどIGF-1減少などで三環系同様にリスクが高い
  • IGF-1減少:髪の成長を助ける成分が減ることで、髪が細くなったり抜けやすくなる。
  • 抗コリン作用:髪や頭皮の健康に関わる神経の働きが弱くなり、抜け毛が増えることがある。
  • 抗ヒスタミン作用:かゆみや炎症を抑える一方で、髪の成長サイクルに影響して抜けやすくなる

服薬開始から2〜4か月後に抜け毛が増えるケースが多く、投与中止や減量で改善することもあります。

個人差が大きいため、抜け毛が気になる場合は必ず医師に相談しましょう。

ストレスによる抜け毛・薄毛の対策法

ストレスは髪の成長サイクルに影響を与え、抜け毛や薄毛を引き起こす原因の一つです。

日常生活での工夫や習慣の改善によって、髪の健康を守ることが可能です。

ここでは、ストレスによる抜け毛・薄毛に対して実践できる対策法を解説します。

ストレス解消をする

強いストレスは自律神経やホルモンバランスに影響し、髪の成長サイクルを乱す原因に。

趣味の時間を持つ、十分な休息を取る、リラックス法(深呼吸や瞑想)を取り入れることが有効です。

定期的なストレス管理で、髪の健康維持にもつながります。

バランスの取れた食生活を心がける

髪の成長にはタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要です。

肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質、ビタミンB群や亜鉛、鉄分を含む食品を意識して摂取しましょう。

不足すると髪が細くなったり抜けやすくなるため、バランスの良い食事が重要です。

日常に運動を取り入れる

適度な運動は血流を促進し、頭皮に栄養が届きやすくなります。

また、運動によるストレス解消効果も期待できます。

ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなど、無理のない範囲で定期的に取り入れることが髪の健康維持に役立ちます。

正しいヘアケアを行う

頭皮や髪に負担をかける洗髪やスタイリングは、抜け毛を悪化させることがあります。

シャンプーはやさしく泡立てて洗い、ドライヤーは過度の熱を避けることがポイント。

ブラッシングやヘアカラーの頻度も見直しましょう。

専門機関で治療する

抜け毛や薄毛が進行している場合は、早めに皮膚科や専門クリニックで相談することが重要です。

医師による診断により、適切な治療法や投薬が提案されます。

さらに、ストレスや栄養、生活習慣と組み合わせた総合的なケアを受けることが可能です。

監修医師コメント
尾内 隆志
尾内 隆志

ストレスによる抜け毛を放置すると、更なるストレスがたまりホルモンバランスが乱れ、症状が進行する可能性があります。

自分で出来る対策法を試しても改善が見込めない場合は、専門家の力をかりて治療を行うことをおすすめします。

うつ病抜け毛薄毛のよくある質問・Q&A

若はげでうつになることはありますか?

若はげ(若年性脱毛症)は、外見の変化によって自己肯定感の低下や社会的不安を引き起こし、うつ病のリスクを高めることがあります。
特に30〜40代の男性で、経済的不安や孤独感と重なる場合に発症しやすいと報告されています。
身体的な問題だけでなく精神面への影響も大きいため、早めのケアとメンタルヘルスのフォローが重要です。

抜け毛がやばいと言われる量はどのくらいですか?

抜け毛がやばいと言われる量の目安は、一般的に1日に100本以上の抜け毛が続く場合です。
健康な成人の髪の毛は約10万本あり、1日に50~100本程度は自然に抜ける正常な範囲内とされています。
極端な抜け毛が続く場合は、体調の変化や病気の可能性もあるため、皮膚科や専門のクリニックで診察を受けることが推奨されます。
抜け毛が多くても適切なケアを続ければ健康な髪を維持できる場合も多いため、早期発見と適切な対策が重要です。

禿げない人は遺伝的な要素が強いですか?

禿げにくい人は遺伝的な要素が関係しています。
男性型脱毛症(AGA)は遺伝の影響を大きく受けますが、5αリダクターゼという酵素の働きが弱い体質を受け継いでいる人は、DHTの影響を受けにくく髪が抜けにくい傾向があります。
つまり、家系的に薄毛の人が少ない場合は遺伝的に禿げにくい可能性が高いと言えます。
ただし、生活習慣やストレス、栄養状態などの環境要因も関係するため、遺伝だけで決まるわけではありません。

この記事の監修

ーごあいさつー

葛飾橋病院は昭和32年の開院以来、地域の皆様や多くの病院の方々にご協力をいただき、半世紀をこえる歴史を重ねてまいりました。
当コラム記事ではさまざまな心の病を持っている方のお手伝いができればと考えています。

  • 平成12年4月〜平成13年5月 東京大学医学部附属病院 精神神経科
  • 平成13年6月〜平成15年5月 財団法人 金森和心会 針生々丘病院 精神科
  • 平成15年6月〜平成17年5月 医療法人社団 柏水会 初石病院 精神科
  • 平成17年6月〜平成18年12月 医療法人社団 健仁会 手賀沼病院 精神科
  • 平成19年1月〜 医療法人遮断 一秀会 葛飾橋病院 理事長
  • 精神保健指定医
  • 認定精神科医
  • 日本精神神経学会専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本医師会会員
  • 日本精神科病院協会 会員
  • 東京精神科病院協会 会員
  • 東京都病院協会 会員
  • ル・ソラリオン葛飾非常勤(嘱託)医師