コラム

【医師監修】高齢者のED治療は70代・80代でも始められる|原因・薬の違い・費用を解説

【医師監修】高齢男性が医師にED治療を相談するイラスト。青基調のバナーに「高齢者のED治療は70代・80代でも始められる/原因・薬の違い・費用を解説」の文字。
尾内隆志 医師の顔写真

この記事の監修者

尾内 隆志(おない たかし) Takashi Onai, M.D.
  • 資格:公益社団法人 日本精神神経学会 精神科専門医
  • 所属・役職:医療法人社団 一秀会 葛飾橋病院 理事長(院長
  • 専門分野:臨床精神科医学一般、EDに伴う心理的側面
  • 医籍登録:医師免許取得:平成12年5月(医籍登録番号:409881)
学歴・職歴(要点を表示)

学歴

  • 郁文館高等学校(平成3年4月〜平成6年3月)
  • 聖マリアンナ医科大学 医学部医学科(平成6年4月〜平成12年3月)

職歴

  • 東京大学医学部附属病院 精神神経科(平成12年4月〜平成13年5月)
  • 針生ヶ丘病院 精神科(平成13年6月〜平成15年5月)
  • 初石病院 精神科(平成15年6月〜平成17年5月)
  • 手賀沼病院 精神科(平成17年6月〜平成18年12月)
  • 葛飾橋病院 理事長(平成19年1月〜現在)

理事長/院長よりご挨拶:
昭和32年の開院以来、地域の皆様に支えられ半世紀をこえる歴史を重ねてまいりました。社会や生活スタイルの変化に伴い精神医療も大きく変化しています。私たちは優しく開かれた医療をめざし、地域に根ざした活動を推進し、患者様・ご家族に安心いただけるホスピタルづくりに尽力してまいります。

監修範囲

本記事のうち、精神科医の観点が関与する記述(EDに関連する心理的側面・受診の不安軽減・受診行動に関する助言等)について、事実関係と表現の妥当性を確認しました。医学的一般情報であり、特定の診断・治療の保証を行うものではありません。

  • 利益相反:申告すべき利益相反はありません。
  • 最終更新:

「PR」「※CLINICFORの情報提供元CLINICFOR」

【結論】
年齢を理由にED治療を諦める必要は全くありません。適切な知識を得て専門医に相談すれば、多くの場合で改善が期待できます。

この記事では、尾内隆志先生(精神科専門医)監修のもと、高齢者の方特有の疑問や不安に寄り添い、安心して治療を始める方法から費用まで、分かりやすく解説します。

【この記事でわかること 3点】

目次
  1. まずはご安心ください|高齢者のEDは治療で改善が期待できます
  2. なぜ高齢になるとEDになるのか?主な4つの原因
  3. 高齢者のED治療で中心となる「ED治療薬」とは?
  4. 最も重要|持病や他の薬との関係は?安心して治療するための注意点
  5. ED治療にかかる費用はどのくらい?
  6. どこに相談すればいい?信頼できるクリニックの選び方 4つのポイント
  7. よくあるご質問(FAQ)
  8. まとめ:一人で悩まず、まずは専門医へ相談の一歩を

まずはご安心ください|高齢者のEDは治療で改善が期待できます

「もう70歳を過ぎたから」「いまさら恥ずかしい」…もしあなたがそうお考えなら、まずそのお気持ちを一旦横に置いて、この記事を読み進めてみてください。

このセクションでは、高齢者のED治療が決して特別なことではなく、多くの方が前向きに取り組んでいる現実と、その先にある豊かな生活についてお伝えします。

「年のせい」と諦めていませんか?80代でも治療を受ける方はいます

ED(勃起不全)は、年齢を重ねるにつれて多くの方が経験する症状の一つです。しかし、それは「年のせいだから仕方ない」と諦めるべきものではありません。

実際に、多くのクリニックには70代、80代の方がたくさん相談に訪れます。

例えば、「もう一度、妻と旅行を楽しみたい」というように、パートナーとの大切な時間をより豊かなものにしたいという切実な思いが、治療を決意するきっかけになっています。

専門医がその方の健康状態をしっかりと確認した上で、適切な治療薬を少量から処方することで、治療が開始されます。

その結果、長年の悩みから解放され、「おかげで妻がとても喜んでくれました」といった喜びの声が聞かれることは、決して珍しいことではありません。

このように、年齢を理由に治療を諦める必要は全くないのです。大切なのは、ご自身の「こうありたい」という気持ちと、正しい情報に基づいて専門家へ相談する勇気です。

ED治療の目的は「QOL(生活の質)」の向上です

ED治療は、単に性機能の回復だけを目指すものではありません。その本質的な目的は、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)、つまり「生活の質」を高めることにあります。

自信を取り戻すことで、日々の生活にハリが生まれる。パートナーとの関係がより親密になり、コミュニケーションが円滑になる。

そうした精神的な充足感が、健康寿命を延ばし、より活動的で楽しいシニアライフに繋がっていくのです。

ED治療は、あなたがあなたらしく、生き生きとした毎日を送るための、非常に有効な選択肢の一つだとお考えください。

この記事で、あなたの疑問や不安を一つずつ解消していきましょう

この記事では、「高齢者 ed治療」に関するあなたの様々な疑問や不安に、一つひとつ丁寧にお答えしていきます。ED治療によって、以下のようなポジティブな変化が期待できます。

  • 自信の回復: 男性としての自信を取り戻し、気持ちが前向きになります。
  • パートナーとの良好な関係: コミュニケーションのきっかけとなり、より親密な関係を築けます。
  • 生活のハリ: 日々の生活に目標や楽しみが生まれ、生き生きと過ごせます。
  • 外出や旅行への意欲向上: パートナーとの外出や旅行が、より一層楽しみになります。

これらの情報を知ることで、あなたの不安はきっと解消されるはずです。どうぞリラックスして、ご自身のペースで読み進めてみてください。

なぜ高齢になるとEDになるのか?主な4つの原因

EDは単に「加齢」という一言で片付けられるものではなく、複数の要因が絡み合って起こります。

ここでは、特に高齢者の方に関係の深い4つの主な原因について解説します。ご自身の状態がどれに近いかを知ることで、対策のヒントが見つかるかもしれません。

原因①:血管の老化や動脈硬化による「血流の低下」

勃起は、陰茎の海綿体という組織に大量の血液が流れ込むことで起こる生理現象です。つまり、血流が非常に重要な役割を果たしています。

しかし、年齢を重ねると誰の血管も少しずつ硬くなり、弾力性が失われていきます。これが「動脈硬化」です。

動脈硬化が進行すると、血管が狭くなり、血液の流れが悪くなります。心臓や脳の血管で起これば心筋梗塞や脳梗塞のリスクとなりますが、陰茎の細い血管で起これば、勃起に必要な血流を確保できなくなり、EDを引き起こすのです。

これはEDの最も一般的な原因であり、「器質性ED」と呼ばれます。言い換えれば、EDは体全体の血管の健康状態を示すサインとも言えるのです。

原因②:糖尿病、高血圧などの「生活習慣病」の影響

糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病は、動脈硬化を加速させる最大の要因です。高血糖や高血圧の状態が長く続くと、血管の内壁が傷つき、硬く、もろくなっていきます。

さらに、糖尿病は血管だけでなく神経にもダメージを与えます。勃起は脳からの性的興奮の指令が神経を伝わって陰茎に届くことで始まりますが、この神経伝達がうまくいかなくなるのです。

そのため、生活習慣病を患っている方は、そうでない方に比べてEDを発症するリスクが2〜3倍高くなるとも言われています。

尾内医師 (精神科専門医) のアドバイス

生活習慣病の治療は、EDの予防・改善においても非常に重要です。かかりつけ医の指示通りに服薬を続け、食事や運動習慣を見直すことは、全身の血流を良くし、結果的に性機能の改善にも繋がります。ED治療と生活習慣病の治療は、車の両輪と捉え、ぜひ並行して取り組んでいただきたいと思います。

原因③:ストレスや夫婦関係の悩みなど「心理的な要因」

「また、うまくできなかったらどうしよう」というプレッシャーや不安(予期不安)、仕事の引退による喪失感、パートナーとの関係性の変化といった心理的なストレスも、EDの引き金となります。これを「心因性ED」と呼びます。

特に高齢者の場合、身体的な要因(器質性ED)がベースにあり、そこに心理的な要因が重なって症状を悪化させる「混合性ED」が非常に多いのが特徴です。

一度や二度の失敗を過度に気にしてしまうことで自信を失い、それが更なる失敗を招くという悪循環に陥ってしまうケースは少なくありません。

ご自身の心を少しリラックスさせてあげることも、大切な治療の一環です。

原因④:男性ホルモン(テストステロン)の減少

男性ホルモンの一種であるテストステロンは、性欲や勃起機能に深く関わっています。このホルモンの分泌は20代をピークに、年齢とともに緩やかに減少していきます。

テストステロンが減少すると、性的な興味や関心が薄れたり、朝立ちがなくなったりすることがあります。

これはLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)、いわゆる男性更年期障害の症状の一つでもあります。

全てのEDの原因がホルモン減少ではありませんが、気力や体力の低下とともにEDの症状が見られる場合は、この要因も考えられます。

高齢者のED治療で中心となる「ED治療薬」とは?

現在、日本国内のED治療は、効果的で安心して使える「PDE5阻害薬」と呼ばれるED治療薬の内服が主流です。

このセクションでは、現在処方されている主な治療薬の特徴や違い、そして安心して利用するための重要な注意点について、詳しく解説していきます。

国内で承認されている安心して使える治療薬

日本国内の医療機関で処方されるED治療薬は、厚生労働省によって有効性と品質性が認められています。現在、主に処方されているのは以下の薬です。

先発薬として長年処方されてきた「レビトラ」は販売中止となりましたが、同じ有効成分を持つジェネリック医薬品の「バルデナフィル」が広く処方されており、同様の効果が期待できます。

これらの薬は、医師の診察のもとで処方されます。

【比較表】現在処方される主なED治療薬の違いが一目でわかる

現在処方されている主な薬は、効果が現れるまでの時間や持続時間、食事の影響の受けやすさなどに違いがあります。

ご自身のライフスタイルや目的に合わせて、医師と相談しながら最適な薬を選ぶことが重要です。

薬の名前特徴効果発現時間持続時間食事の影響1錠あたりの費用目安のイメージ
バイアグラ世界初で知名度が高く安心感がある。硬さが出やすいと評価する声も。約30分~1時間約4~5時間受けやすい(空腹時推奨)1,300円~1,500円くらいかかるイメージ
バルデナフィル<br>(ジェネリック)効果発現が速い。硬さも十分期待できる。(旧レビトラと同じ成分)約15分~30分約5~8時間やや受けにくい1,000円~1,500円くらいかかるイメージ
シアリス効果時間が長く、週末に飲む方も。自然な効き心地が特徴。約1~3時間約30~36時間受けにくい1,500円~2,000円くらいかかるイメージ

こんな方におすすめ:食事を楽しみたいなら「シアリス」

シアリスの最大のメリットは、効果の持続時間が約30~36時間と非常に長い点と、食事の影響を受けにくい点です。

これにより、「薬を飲むタイミングを気にしなければいけない」というプレッシャーから解放されます。

例えば、金曜の夜に服用すれば、土曜の夜まで効果が期待できるため、時間に縛られず自然な雰囲気でパートナーとの時間を過ごしたい方におすすめです。

効果の出方もマイルドで、急に効きすぎる感じが少ないため、初めてED治療薬を使う方にも人気があります。

こんな方におすすめ:効果の速さを求めるなら「バルデナフィル(レビトラ・ジェネリック)」

バルデナフィルは、服用後最短約15分で効果が現れるという即効性が魅力です。

硬さもしっかりと出やすいという特徴があり、いざという時に素早く、そして確実な効果を期待したい方に向いています。

先発薬レビトラと同じ有効成分であり、その効果や特徴は引き継がれています。食事の影響はバイアグラより受けにくいですが、やはり脂っこい食事をたくさん食べた後だと効果が弱まる可能性があります。

こんな方におすすめ:世界初のED治療薬という安心感「バイアグラ」

バイアグラは、1998年に発売された世界で最初のED治療薬です。その知名度の高さと、長年にわたる豊富な処方実績からくる安心感は、他の薬にはない大きなメリットと言えるでしょう。

効果の持続時間は比較的短いですが、勃起時の硬さには定評があります。ただし、食事の影響を最も受けやすいため、効果を最大限に引き出すには空腹時の服用が推奨されます。

「まずは有名な薬から試してみたい」という方には、良い選択肢となるでしょう。

要注意:インターネットでの個人輸入は偽薬が多く危険です

インターネット上では、ED治療薬を「処方箋不要」などと謳って販売する海外のサイトが見受けられますが、これらは絶対に利用しないでください。

国内の製薬会社4社(ファイザー、バイエル、日本新薬、日本イーライリリー)の合同調査では、インターネットで入手したED治療薬の55.4%が偽造品であったというデータが報告されています。(出典元:https://www.nippon-shinyaku.co.jp/file/download.php?file_id=125)

尾内医師 (精神科専門医) の警告

個人輸入で入手した偽薬には、有効成分が全く入っていなかったり、逆に規定量以上の成分が含まれていたり、不純物や有害物質が混入しているケースが後を絶ちません。

健康被害どころか、命に関わる事態に発展する危険性も十分にあります。ED治療薬は必ず医師の診察のもと、国内の医療機関で処方された安心して服用できるものを選んでください。

それがご自身の健康を守るための絶対条件です。

最も重要|持病や他の薬との関係は?安心して治療するための注意点

ED治療薬は非常に品質性の高い薬ですが、服用する方の健康状態や、他に服用している薬によっては、注意が必要なケースがあります。

特に持病をお持ちの高齢者の方にとっては、このセクションが最も重要なポイントになります。ご自身の身を守るために、必ず内容をご確認ください。

ED治療薬を服用できないケース(併用禁忌薬)

ED治療薬には、一緒に服用すると命に関わる危険な血圧低下を引き起こす可能性がある「併用禁忌薬」が存在します。

最も代表的なものは、狭心症や心筋梗塞の治療に用いられる「ニトログリセリン」に代表される硝酸薬です。

舌の下に入れて溶かすタイプの薬や、貼り薬、スプレーなど、様々な形状のものがあります。

もしあなたが心臓の持病でこのような薬を使用している、または使用する可能性がある場合は、ED治療薬を服用することは絶対にできません。

診察の際には、必ず医師に現在服用中の薬を全て正確に伝えてください。お薬手帳を持参するのが最も確実です。

高血圧や糖尿病の薬を飲んでいても服用できる?

高血圧や糖尿病の薬を服用している方の多くは、ED治療薬を安心して服用することが可能です。実際に、ED治療を受けている方の多くが、これらの持病をお持ちです。

ただし、自己判断は禁物です。必ず医師の診察を受け、現在の健康状態や服用中の薬を伝えた上で、処方してもらう必要があります。

例えば、高血圧の治療でα遮断薬という種類の薬を服用している場合、ED治療薬との併用で立ちくらみなどが起きやすくなることがあるため、用法・用量を慎重に調整する必要があります。

尾内医師 (精神科専門医) のアドバイス

高血圧や糖尿病などの持病があるからといって、ED治療を諦める必要はありません。

むしろ、そうした方にこそQOL向上のための治療を検討していただきたいと考えています。大切なのは、かかりつけ医とED治療の専門医が連携することです。

まずはかかりつけ医に『EDの治療を考えている』と相談し、専門医への紹介状を書いてもらうのも良い方法です。安心して治療を進めることを最優先にしましょう。

実際に、長年高血圧の治療を続けている70代の方が、「今の薬を飲んでいるから、EDの薬は危ないだろう」と、治療を諦めてしまっているケースは少なくありません。

しかし、専門医が患者さんのかかりつけ医と連携し、服用中の降圧剤がED治療薬との併用に問題のない種類であることを確認できる場合は多くあります。

このように、薬の種類をしっかり確認し、安心して治療を開始できたことで、長年の悩みから解放され、大変喜ばれる方はたくさんいらっしゃいます。

主な副作用(ほてり、頭痛など)と対処法

ED治療薬は血管を拡張させる作用があるため、いくつかの副作用が報告されています。最も多いのは、「顔のほてり」「目の充血」「頭痛」「鼻づまり」などです。

これらは薬が効いている証拠でもあり、多くは一時的なもので、薬の効果が切れると共に自然に治まります。

頭痛が気になる場合は、市販の頭痛薬(ロキソニンやイブなど)を併用しても基本的には問題ありませんが、念のため医師や薬剤師に確認するとより安心です。

もし副作用が強く出たり、長く続いたりするようであれば、薬の種類や用量が合っていない可能性もあるため、処方してくれた医師に相談してください。

まずは少量から試すことも可能です

ED治療薬には、同じ種類の薬でも有効成分の量が異なる規格(例:バイアグラ25mgと50mg)があります。

初めて服用する場合や、副作用が心配な場合は、医師と相談して最も少ない用量から試してみるのが良いでしょう。

少量で十分な効果が得られる方もいらっしゃいますし、まずは体に慣らすという意味でも、低用量からのスタートは安心な方法です。

効果が不十分であれば、次の診察で用量を増やすなどの調整が可能です。焦らず、ご自身の体に合った服用方法を見つけていきましょう。

ED治療にかかる費用はどのくらい?

ED治療を始めるにあたり、費用がどのくらいかかるのかは、誰もが気になるところだと思います。

このセクションでは、ED治療にかかる費用の内訳や相場について、具体的かつ分かりやすく解説します。

ED治療は自由診療。健康保険は適用されません

まず知っておくべき最も重要な点は、ED治療は(一部の不妊治療のケースを除き)原則として自由診療であり、健康保険が適用されないということです。

そのため、診察料や薬代は全額自己負担となります。

病院によって価格設定が異なるため、事前にウェブサイトで料金を確認したり、電話で問い合わせたりしておくと安心です。

医療費控除の対象にも基本的にはならないと理解しておきましょう。

費用の内訳:初診料・再診料+薬代

ED治療でかかる費用は、大きく分けて「診察料」と「薬代」の2つです。

  • 初診料: 無料~3,000円程度が相場のイメージです。クリニックによっては初診料を無料にしているところもあります。
  • 再診料: 無料~1,500円程度が相場のイメージです。2回目以降の診察にかかる費用で、こちらも無料のクリニックが増えています。
  • 薬代: 処方される薬の種類と錠数によって決まります。これが費用の大部分を占めることになります。

初回の診察では、問診や血圧測定などの簡単な健康チェックが行われます。特別な検査がない限り、高額な費用が発生することはほとんどありません。

【料金表】1錠あたりの費用相場のイメージ

ED治療薬の1錠あたりの価格は、薬の種類や規格(有効成分の量)によって異なります。以下に、一般的な相場をまとめました。

薬の種類規格1錠あたりの価格帯
バイアグラ25mg約1,300円くらいかかるイメージ
50mg約1,500円くらいかかるイメージ
バルデナフィル10mg約1,000円くらいかかるイメージ
(ジェネリック)20mg約1,500円くらいかかるイメージ
シアリス10mg約1,500円くらいかかるイメージ
20mg約1,800円くらいかかるイメージ

※上記はあくまで目安であり、クリニックによって価格は異なります。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)なら費用を抑えられます

「もう少し費用を抑えたい」という方には、ジェネリック医薬品(後発医薬品)という選択肢があります。

ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許が切れた後に、他の製薬会社が同じ有効成分で製造・販売する薬のことです。

開発コストが抑えられているため、先発医薬品とほぼ同等の効果を、より安価で手に入れることができます。

薬の種類によりますが、おおよそ半額から、バイアグラのジェネリックでは2割程度まで費用を抑えられる場合もあります。

品質や品質性は国によって厳しく審査されているため、安心して服用できます。費用を継続的に抑えたい方は、診察時にジェネリック医薬品の処方を希望している旨を医師に伝えてみましょう。

どこに相談すればいい?信頼できるクリニックの選び方 4つのポイント

「いざ治療を始めようと思っても、どこに行けばいいのか分からない」「受診するのが恥ずかしい」と感じるのは、ごく自然なことです。

ここでは、あなたが安心して相談できるクリニックを見つけるための、具体的な4つのポイントをご紹介します。

ポイント①:泌尿器科、またはED専門クリニックを選ぶ

EDの相談は、男性の性機能に関する専門家である泌尿器科を受診するのが基本です。

しかし、「泌尿器科」と聞くと、前立腺の病気など、他の患者さんの目が気になるという方もいらっしゃるかもしれません。

そのような方には、EDやAGA(男性型脱毛症)などを専門に扱っている専門クリニックがおすすめです。来院する患者さんは同じような悩みを持つ方ばかりなので、心理的なハードルが低くなります。

また、専門クリニックはED治療の経験が豊富な医師が多いため、よりスムーズで的確な診察が期待できます。

ポイント②:費用体系が明確で分かりやすいか

自由診療であるED治療は、クリニックによって料金が異なります。

そのため、ウェブサイトなどに料金表がきちんと掲載されており、費用体系が明瞭であることは、信頼できるクリニックを見分ける上で非常に重要なポイントです。

「初診料・再診料はいくらか」「薬代以外に追加の費用は発生しないか」などを事前に確認しておきましょう。

「格安」を過度にアピールしているクリニックよりも、適正価格で、内容を正直に開示しているクリニックの方が、結果的に安心して通うことができます。

ポイント③:プライバシーへの配慮があるか

EDは非常にデリケートな悩みです。そのため、多くの専門クリニックでは、患者さんのプライバシーを守るための工夫が凝らされています。

例えば、以下のような配慮がされているかを確認してみましょう。

  • 予約制で、他の患者さんと顔を合わせることが少ない
  • 受付から診察、会計までが個室で行われる
  • スタッフは全員男性である
  • 院内で名前ではなく番号で呼ばれる

こうした配慮があるクリニックなら、人目を気にせずリラックスして相談することができるでしょう。

ポイント④:「オンライン診療」なら自宅から相談できて便利

「どうしてもクリニックに行く勇気が出ない」「近くに専門のクリニックがない」という方には、オンライン診療が最適な選択肢となります。オンライン診療の簡単な流れは以下の通りです。

  1. スマホやPCで予約: クリニックの公式サイトから、都合の良い日時を選んで予約します。
  2. ビデオ通話で診察: 予約時間になったら、ビデオ通話で医師の診察を受けます。服装は普段着のままで大丈夫です。
  3. 薬が自宅に届く: 診察後、処方された薬がプライバシーに配慮した形で自宅や指定の場所に配送されます。

誰にも会わずに診察から薬の受け取りまで完結できるため、プライバシーの面でも非常に優れています。

多くのED専門クリニックがオンライン診療に対応していますので、ぜひ検討してみてください。

よくあるご質問(FAQ)

ここでは、本文で触れきれなかった、高齢者の方からよく寄せられる質問について、Q&A形式でお答えします。

Q. 治療を始めたら、どのくらいで効果が出ますか?

A. ED治療薬は、服用すればすぐに効果を実感できる方が多いです。薬の種類にもよりますが、服用後15分~1時間程度で効果が現れ始めます。

ただし、薬の効果には個人差があり、体調や心理状態によっても左右されます。また、1回目の服用ではうまくいかなくても、2~3回試すうちに体が慣れて効果が出るケースも多いです。

焦らず、リラックスして試してみることが大切です。

Q. 薬は飲み続ける必要がありますか?

A. ED治療薬は、根本的にEDを治す薬ではなく、あくまで勃起を一時的にサポートする薬です。そのため、性行為の都度、服用する必要があります。

しかし、薬を使って成功体験を重ねることで自信がつき、薬がなくてもうまくいくようになる方もいらっしゃいます。

また、生活習慣の改善(禁煙、適度な運動、バランスの取れた食事など)を並行して行うことで、EDの原因そのものが改善され、薬の必要性が減っていく可能性もあります。

Q. 薬以外の治療法はありますか?

A. はい、あります。内服薬で効果が得られない場合や、副作用で服用できない場合には、他の治療法が検討されます。

具体的には、陰茎に直接注射する「ICI療法」や、医療機器を使って勃起を補助する「陰圧式勃起補助具」、衝撃波を当てて血管の再生を促す「レノーヴァ」などがあります。

ただし、これらの治療は実施できる医療機関が限られています。まずは基本となる内服薬治療から始めるのが一般的です。

Q. パートナー(妻)には、どう伝えれば良いでしょうか?

尾内医師 (精神科専門医) のアドバイス

これは非常に繊細で、大切な問題ですね。EDの悩みは、男性だけの問題ではなく、パートナーとの関係性の問題でもあります。

一人で抱え込まず、思い切って打ち明けてみることをお勧めします。その際、深刻になりすぎず、『最近、少し自信がなくて。でも、君との時間を大切にしたいから、一度専門家のアドバイスを受けてみようと思うんだ』というように、相手を思う気持ちと前向きな姿勢を伝えてみてはいかがでしょうか。

二人で一緒に問題に向き合うことで、かえって絆が深まるケースも少なくありません。

まとめ:一人で悩まず、まずは専門医へ相談の一歩を

この記事では、高齢者のED治療について、原因から治療薬、費用、クリニックの選び方まで詳しく解説してきました。最も大切なメッセージは、「年齢を理由に諦める必要はない」ということです。

尾内医師 (精神科専門医) からのメッセージ

長年にわたり、多くの方の心の問題に寄り添ってきましたが、自信を失うことが、いかに日々の生活の輝きを奪ってしまうかを目の当たりにしてきました。

EDの悩みは、まさに男性の自信の根幹に関わる問題です。しかし、現代の医学は、その悩みに応える安心で有効な手段を提供しています。

この記事を読んで、少しでも希望を感じていただけたなら、ぜひその気持ちを大切に、次の一歩を踏み出してみてください。

専門家への相談は、あなたのQOL(生活の質)を取り戻すための、最も確実なスタートラインです。

最後に、この記事の要点をチェックリストで振り返ってみましょう。

高齢者のED治療 最終チェックリスト

  • EDは年齢のせいだけではないと理解した
  • 安心して使える治療薬が複数あることがわかった
  • 持病や他の薬については必ず医師に相談すると決めた
  • 費用やクリニックの選び方の目安がついた
  • 一人で悩まず専門家に相談しようと思えた

お一人で悩まず、まずは専門家にご相談ください

この記事を通して、長年の疑問や不安が少しでも解消されたなら幸いです。自信に満ちた毎日を取り戻すための準備は、もう整っています。

大切なのは、次の一歩を踏み出すことです。お近くの専門クリニック、または下記のようなご自宅からでも相談できるオンライン診療で、まずはあなたの悩みを聞いてもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。

→ クリニックフォアの公式サイトで詳細を見る

【参考文献・リンク】

この記事を書いた人

葛飾橋病院

葛飾橋病院では精神科、神経科、内科、放射線科、歯科と様々な診療、治療を行っています。職員一同心をひとつに合わせて、患者様、ご家族の皆さまに心から安心していただけるホスピタルづくりを進めており、地域に密着した精神科医療の活性化に尽力していきます。当ブログでは精神科を中心とした記事を作成し患者様の心を少しでも和らげられるような発信をしていきます。