東京都葛飾区唯一の精神科単科病院

〒125-0041 東京都葛飾区東金町7-33-1

他人に攻撃的になる病気は?イライラの原因を解説

精神

他人に対して攻撃的になってしまうのは、性格だけの問題ではないかもしれません。

強いイライラや怒りがコントロールできなくなってしまう背景には、病気や心身の不調が関係している可能性があります。

些細なことでイライラして他人にきつく当たってしまう…

怒りをコントロールできず攻撃的になってしまう…

以前の自分とは変わってしまった気がする…

今回は、他人に攻撃的になってしまう病気や考えられる原因について解説していきます。

他人に攻撃的になってしまう状態は、性格の問題ではなく心や体が限界を迎えているサインかもしれません。

「些細なことでもイライラしてしまう」「おかしくなってしまったかもしれない…」とお悩みの方はぜひ参考にしてください。

イライラの原因は?他人に攻撃的な人の理由や心理

他人に攻撃的になってしまう背景には、単に性格の問題だけではなく、心の状態や過去の経験が関わっていることがあります。

そのため、自分でも何故こんなにイライラしてしまうのか分からない、と悩んでしまう場合も少なくありません。

本項目では、他人に攻撃的になりやすい人に見られる理由や心理について解説します。

不安や劣等感を抱いている

強い不安や劣等感を抱えている人は、自分を守るために他人に攻撃的な態度をとってしまう可能性があります。

自信の無さや見下されたくない、バカにされたくない、という気持ちが強ければ強いほど、相手の言動を敵意として受け取ってしまいがちです。

相手の敵意よりも先にこちらから攻撃することで、心のバランスを保とうと防御してしまいます。

この場合、他人に攻撃的になってしまうイライラや怒りは、不安や劣等感の裏返しであることが多いのが特徴です。

衝動性を抑えられない

衝動性が抑えられず、感情のコントロールが上手くできない方は、イライラを感じた瞬間に言葉や態度として表に出してしまいます。

頭の中では分かっていても感情が先に動いてしまい「言い過ぎてしまった」「イライラを抑えられなかった」と後悔してしまうことも少なくありません。

衝動性を抑えられないのは、ストレスの蓄積や疲れ、発達の特性などが関係している場合もあるため、意思だけでは衝動性を抑えるのが難しいケースもあります。

幼い頃の家庭環境の影響

幼い頃の家庭環境は、大人になってからも感情表現の仕方に大きな影響を与えかねません。

暴言や暴力が日常的な家庭環境で育つと、怒りで主張することがコミュニケーションとして身に付いていることがあります。

また、幼い頃に愛情を感じられなかった経験があると、他人との距離感が分からず攻撃的な態度を取ってしまうケースもあります。

尾内 隆志
尾内 隆志

監修者コメント

家族に対して攻撃的になる場合は、親の過干渉が原因である可能性もあります。

必要以上に干渉すると、子どもにとっては大きなストレスになりかねません。

他人に攻撃的になる病気や障害

他人に攻撃的になってしまう場合、精神的な病気や障害が関係している可能性があります。

すべての人に当てはまるわけではありませんが、病気や障害の症状として攻撃性が高くなってしまうケースも少なくありません。

本項目では、他人に攻撃的になりやすいとされる代表的な病気や障害を紹介します。

パーソナリティ障害

パーソナリティ障害とは、物事の考え方や対人関係の築き方、感情の表し方に強い偏りが見られる状態のことです。

「性格が悪い」「わがまま」と誤解されがちですが、意志や努力だけで変えることは難しく、本人や周囲も生きづらさを感じるケースも見られます。

パーソナリティ障害の中でも攻撃性が目立ちやすいタイプ
  • 境界性パーソナリティ障害…感情の波が激しく不安定になりやすい
  • 自己愛性パーソナリティ障害…強い自尊心ゆえに傷付きやすい
  • 反社会性パーソナリティ障害…衝動性が高く他人の感情を軽視しやすい

パーソナリティ障害を抱えている人は、相手を傷付けるつもりがなくても、強い不安や恐れを感じると攻撃的な言動をとってしまいます。

生まれつきの気質と幼い頃の環境が複雑に影響して形成されるといわれていますが、適切な治療によって症状を和らげることが可能です。

長期的な心理療法と周囲の理解によって、感情のコントロールや対人関係を良好にするスキルを身に付けることができます。

統合失調症

統合失調症とは、思考や感情をうまく整理できなくなる精神疾患です。

性格の問題ではなく脳の働きのバランスの乱れによって、陽性症状(幻聴や妄想)と陰性症状(感情表現、集中力低下が現れます。

妄想や強い不安がある時に、本人に悪意や敵意、相手を傷付ける意識がなくても防衛反応として他人に攻撃的になってしまうことがあります。

間欠性爆発性障害

間欠性爆発性障害とは、怒りの感情をコントロールできず、突然激しい攻撃行動を起こしてしまう障害です。

普段は穏やかな性格の人でも些細なきっかけで、突然怒鳴る、物を壊す、暴言を吐くなどの行動をしてしまいます。

発作のように短時間で収まることが多く、本人も強い後悔や自己嫌悪を感じやすい病気です。

うつ病

うつ病は、心のエネルギーが極端に低下し気分の落ち込みや意欲の低下が長く続く心の病気です。

真面目で責任感が強い人ほど気付かないうちに無理を重ねて、脳の働きのバランスが乱れてしまい発症することも少なくありません。

気分が落ち込む、イライラしやすくなるなどの心の症状だけでなく、頭痛や不眠などの体の症状も現れるのもうつ病の特徴です。

うつ病の人は、他人の些細な一言や出来事でも大きな負担になってしまうことがあり、防衛反応として攻撃性が高くなる可能性があります。

アルコール依存症

アルコール依存症とは、お酒を自分の意志ではコントロールできなくなる病気です。

不安や孤独感、ストレスを抱えていると、お酒で気持ちを楽にする手段として選んでしまい、自力では抜け出せないほど依存してしまいます。

アルコールには感情や行動を抑えるブレーキを弱める作用があるため、普段では気にならない些細なことでイライラしたり、荒っぽい言動が起こりやすい状態になりがちです。

尾内 隆志
尾内 隆志

監修者コメント

長期間の大量飲酒が続くと、怒りをコントロールする脳自体の働きも弱まるため、飲酒していなくても攻撃的になることもあります。

認知症

認知症とは、脳の病気や障害などによって記憶、判断力が低下し日常生活に支障をきたしている状態のことです。

状況を理解できない状態に陥ってしまうため、混乱や不安が心を支配してしまい、怒りっぽくなったり被害妄想のような言動が増えてしまいます。

性格が変わったのではなく脳の働きが変化によるものなので、安心できる環境を作ることが大切です。

他人に攻撃的になる病気の治療法は?

他人に攻撃的になる言動が見られる場合、ただの性格の問題ではなく、心の病気や強いストレス、感情コントロールの難しさなどが関係していることがあります。

治療を始めるには、なぜ他人に攻撃的になってしまうのか原因を知ることが大切です。

攻撃性を抑え込むのではなく、抱えている心や体の負担を軽くすることで、感情を安全に扱えるようになります。

本項目では、代表的な治療を紹介するのでぜひ参考にしてください。

カウンセリング・心理療法

カウンセリングや心理療法では、専門家との対話を通して、なぜイライラが抑えられないのか、どんな場面で怒りが強くなるのか、感情や言動の背景を整理していきます。

他人に攻撃的になる背景には、不安や孤独感などマイナスな感情が隠れていることも多くあります。

まずは、自分の気持ちを整理し、理解することで、言動を変える一歩に

カウンセリングや心理療法を続けることで、感情のコントロールが上手くできるようになり、感情が爆発する前に少し立ち止まれるようになったり、怒りを感じにくくなる効果を期待できます。

抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法

他人に攻撃的になる原因が、うつ病や統合失調症などの症状である場合は薬物療法が重要な役割を果たします。

  • 抗うつ薬…気分の落ち込みや強いイライラを和らげる
  • 抗不安薬…緊張や不安を軽減させて感情の高ぶりを抑える

薬物療法は、感情を抑制させるのではなく、脳の働きのバランスを整えて気持ちに余裕を持たせるための治療です。

薬物療法は即効性が期待できるものではありませんが、治療を進めるための土台作りとなる存在のため、医師や専門家と相談しながら使用しましょう。

怒りの感情と向き合うトレーニング

怒りそのものは自然な感情であるため、怒らないようにする必要はありません。

ですが、怒りの扱い方を間違えてしまうと他人に迷惑をかけたり自己嫌悪に陥り、人間関係の悪化にも繋がってしまいます。

怒りの感情と向き合うトレーニングであるアンガ―マネジメントを取り入れることで、怒りを感じた時に適切に対処する力を身に付けることが期待できます。

アンガーマネジメントは、怒りを我慢する方法ではありません。

まず、自分がどのような場面で怒りを感じやすいのか理解するところから始めます。

怒りが突然爆発する前に起きる、体の緊張や呼吸の変化などの心や体のサインを察知できるようにするトレーニングです。

怒りの感情が高まる前触れを意識することで、衝動的な行動を避けられるようになります。

尾内 隆志
尾内 隆志

監修者コメント

アンガーマネジメントを継続することで、感情のコントロールができるようになるため、怒りを攻撃としてぶつけるのではなく、相手に落ち着いた態度で言葉にして伝えることが可能になります。

他人に攻撃的になる人への接し方・対応

他人に攻撃的な態度をとる人と関わると、強いストレスや不安を感じることがあります。

病気や心の不調が原因で攻撃的になっている可能性もありますが、我慢し続ける必要はありません。

相手を理解しようとする気持ちは大切ですが、自分の心と体を守る接し方や対応をしていきましょう。

落ち着くまで関わらない

強い怒りや興奮状態にある時は、無理に対応せず距離を置くことが大切です。

相手が落ち着くまで、時間や距離を置くことで不要な衝突を避けやすくなります。

感情が高ぶっている状態では、どんなに優しく接しても気持ちが伝わりにくく、かえって状況を悪化させることもあるので自分と相手の関係を良好に保つためにも、落ち着くまで関わらない、という対応を取りましょう。

感情的にならずに冷静に対応する

攻撃的な態度を取られると、こちらも感情的になってしまいがちですが、同じような態度を取っても関係性が良くなることはありません。

出来るだけ落ち着いた口調で冷静に話し、相手を否定したり責めるような態度は控えましょう

冷静さをできるだけ保つことが、状況を悪化させないために大切なことです。

自分の境界線を明確にする

相手の攻撃的な態度をすべて受け入れようとするのではなく、「今の言い方はひどい」「これ以上は関わりたくない」と自分の限界を伝えることも必要です。

自分の境界線を明確にすることで、無理な我慢や心と体の負担を減らす事ができます。

相手のためだけでなく、自分のためにも許せない言動を取られた時ははっきり伝えることも大切です。

尾内 隆志
尾内 隆志

監修者コメント

攻撃的な人と接する場合は、無理な要求には応じないことが重要です。

自分の中で「これ以上は受け入れない」という基準を明確にすることで相手のペースに流されずに済むでしょう。

トラブルが続く場合は専門家に相談を

攻撃的な言動が繰り返され、日常生活に支障をきたしている場合は本人だけでなく周囲の人間も専門家に相談してみましょう。

心療内科や精神科、地域の相談窓口など、専門家による第三者の視点が入ることで状況が整理され適切な治療に繋がりやすくなります。

無理に一人で抱えこまず、専門家に頼ることで長く無理なく関わるためのポイントです。

他人に攻撃的になる病気のよくある質問・Q&A

Q
家族がうつ病でイライラして攻撃的な場合はどうすればいいですか?
A

家族がうつ病でイライラして攻撃的になっている場合、まず最優先すべきなのは自分と周囲の安全を守ることです。

怒りや興奮が強い時は、無理に話し合おうとせず距離を取って相手が落ち着くのを待ちましょう。

感情的に対応すると状況が悪化する可能性もあるため、冷静な対応を心掛けて攻撃的な言動をそのまま受け取りすぎないことも大切です。

危険を感じる場合やつらさが長く続く時は、専門家などの第三者に頼ることが自分を守り家族を支えることにも繋がります。

Q
ストレスがたまると攻撃的になる原因は何ですか?
A

ストレスがたまると攻撃的になってしまうのは、心と脳の余裕が失われるためです。

感情をコントロールする力が低下し不安や不満が限界に近付くと、怒りという形で噴き出すことがあります。

自分を守るための反応として攻撃的になってしまうこともあるので、休息を取り環境を整えて、誰かに相談するなどのケアを取り入れましょう。

Q
他人に攻撃的になる人の末路は何ですか?
A

他人に攻撃的な態度が続いてしまう場合には、信頼を失い人間関係が壊れていく可能性があります。

家族や友人、職場でも孤立してしまうため、ストレスがさらに増え悪循環に陥りやすくなります。

心と体の健康への悪影響も大きくなるので、早めに自分の状態に気付き対処することが大切です。

この記事の監修

葛飾橋病院 院長
尾内 隆志

葛飾橋病院診療案内

― ごあいさつ ―

葛飾橋病院は昭和32年の開院以来、地域の皆様や多くの病院の方々にご協力をいただき、半世紀をこえる歴史を重ねてまいりました。
当コラム記事ではさまざまな心の病を持っている方のお手伝いができればと考えています。

  • 平成12年4月〜平成13年5月 東京大学医学部附属病院 精神神経科
  • 平成13年6月〜平成15年5月 財団法人 金森和心会 針生々丘病院 精神科
  • 平成15年6月〜平成17年5月 医療法人社団 柏水会 初石病院 精神科
  • 平成17年6月〜平成18年12月 医療法人社団 健仁会 手賀沼病院 精神科
  • 平成19年1月〜 医療法人遮断 一秀会 葛飾橋病院 理事長
  • 精神保健指定医
  • 認定精神科医
  • 日本精神神経学会専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本医師会会員
  • 日本精神科病院協会 会員
  • 東京精神科病院協会 会員
  • 東京都病院協会 会員
  • ル・ソラリオン葛飾非常勤(嘱託)医師
この記事を書いた人
葛飾橋病院スタッフ

葛飾橋病院のコラムページでは長年の地域精神の実績を踏まえた上で、地域に根づいた診療を行うとともに心の病で悩んでいる方に、精神科医の目線での情報を発信していくコラムページになります。
少しでも気持ちを落ち着いていただけるようにコラム記事を書いていきますのでよろしくお願いいたします。

葛飾橋病院スタッフをフォローする
精神