デエビゴの効果と副作用|何時間効く?悪夢や効かない理由も解説

デエビゴの効果と副作用|何時間効く?悪夢や効かない理由も解説 精神
記事内に広告が含まれています。

デエビゴを処方されたけれど、どんな薬なのか不安…

副作用で悪夢を見ると聞いて、飲むのが怖い

このように感じていませんか。

デエビゴは、眠れない悩み(不眠症)の治療に使われる、医師の処方が必要な薬です。

デエビゴ(成分名:レンボレキサント)は、脳を「起きている状態」に保つ物質の働きをおさえて、眠りに入りやすくする薬です。

飲むタイミングや副作用を知っておくと、安心して治療を続けやすくなります。

まずは、次の3つを覚えておきましょう。

  • 寝る直前に飲む(食事と一緒や食後すぐは避ける)
  • 飲んでいる間はお酒を飲まない
  • 量を自分で増やしたり、急にやめたりしない

また、翌朝以降も眠気が残ったり、注意力が落ちたりすることがあるため、飲んでいる間は車の運転など危険をともなう作業はしないでください。

わからないことがあれば、ひとりで判断せず、医師や薬剤師に相談しましょう。

デエビゴとは?どんな睡眠薬か

デエビゴとはどんな薬か

デエビゴは、エーザイという製薬会社がつくっている不眠症の治療薬です。

オレキシンの働きをおさえて眠りに切り替える

私たちの脳では、「オレキシン」という物質が、目を覚ましておく役割をしています。

デエビゴは、このオレキシンが脳に働きかけるのをブロックします。

その結果、脳が「起きているモード」から「眠るモード」に切り替わりやすくなり、眠りに入りやすくなると考えられています。

同じようにオレキシンの働きをおさえる薬には、ベルソムラ(スボレキサント)やクービビック(ダリドレキサント)があります。

2.5mg・5mg・10mgの3種類があり、医師の処方が必要

デエビゴの錠剤には、2.5mg・5mg・10mgの3種類があります。

大人の場合、ふつうは5mgを1日1回、寝る直前に飲みます。

症状に合わせて量を調整することもありますが、1日10mgが上限です。

錠剤の量使われ方
2.5mgほかの薬との飲み合わせや
体の状態によって使うことがある
5mgふつうの量
(1日1回、寝る直前)
10mg1日の上限
効果が足りないときだけ増やし
良くなったら減らしていく

デエビゴはドラッグストアでは買えない「処方箋医薬品」で、医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。

また、くせになる可能性に注意が必要な「習慣性医薬品」にも指定されています。

デエビゴの効果|寝つきや夜中の目覚めへの作用

デエビゴの効果

デエビゴを飲むと、寝つくまでの時間が短くなったり、夜中に目が覚めている時間が減ったりすることが、臨床試験で確かめられています。

臨床試験でわかった効果

発売前に、不眠症の人949人(うち日本人161人)が参加する6か月間の試験が行われました。

参加した人は、デエビゴを飲むグループと、有効成分の入っていない薬(プラセボ)を飲むグループに分かれ、毎日の睡眠を記録しました。

その結果、デエビゴ5mg・10mgを飲んだ人は、プラセボを飲んだ人と比べて、次の3つが良くなりました。

  • 寝つくまでの時間
  • 布団に入っている時間のうち、実際に眠れている時間の割合
  • 夜中に目が覚めている時間

6か月たったときの変化は、次のとおりです。

項目プラセボ5mg10mg
寝つくまで
の時間
約11分短縮約22分短縮約28分短縮
夜中に目が
覚めている時間
約29分減少約47分減少約42分減少

※寝つくまでの時間は中央値(参加者を並べたときの真ん中の値)、夜中に目が覚めている時間は統計的に調整した平均値です。

寝つきについては、飲み始めて1週間の時点ですでに、プラセボとの差が出ていました。

効果の感じ方には個人差がある

試験の結果は、たくさんの人の平均的な変化です。

同じ量でもよく眠れる人もいれば、あまり効かないと感じる人もいます。

眠れない原因が、ストレスや生活リズムの乱れ、別の病気にあることもあるので、効き目が物足りないときは医師に相談しましょう。

関連記事:夜中に目が覚める原因|同じ時間の理由や対策法も解説

デエビゴは何時間効く?効き始めと翌朝への影響

デエビゴは何時間効くか

デエビゴが何時間効くかは、飲んだ量や体質、年齢などによって違い、「何時間」とは決まっていません。

目安になる数字をまとめると、次のとおりです。

項目目安
血液の中の薬が
いちばん多くなる
飲んでから1〜1.5時間後
薬の量が
半分に減るまで
約50時間
(毎日続けて飲んだとき)
食事と一緒・
食後すぐに飲むと
いちばん多くなるのが約2時間遅れ
その量も約2割少なくなる
(海外のデータ)
翌朝への影響眠気や注意力の低下が
残ることがある

血液の中の薬がいちばん多くなるのは飲んでから1〜1.5時間後

日本人の健康な成人男性が飲んだ試験では、血液の中のデエビゴの量がいちばん多くなるのは、飲んでから1〜1.5時間後でした。

ただし、食事と一緒や食後すぐに飲むと、いちばん多くなるまでに約2時間余計にかかり、その量も約2割少なくなります(海外のデータ)。

そのため、寝る直前に、食事から時間をあけて飲むことが大切です。

半減期は約50時間だが「効いている時間」とは別

薬の量が体の中で半分に減るまでの時間を「半減期」といいます。

デエビゴを毎日続けて飲んだときの半減期は、約47〜51時間です。

半減期が長いからといって、50時間ずっと眠いわけではありません。

ただし、薬の影響が翌日以降まで残ることはあります。

翌朝に眠気が残ることがある

デエビゴを飲んだ翌朝以降に、眠気や注意力・集中力の低下が残ることがあります。

そのため、デエビゴを飲んでいる間は、車の運転など危険をともなう作業はしないでください。

海外で55歳以上の人を対象にした試験では、飲んで約4時間後に起きたとき、ふらつきが増えました(10mgでは注意力や記憶力の低下も)。

不眠症の人が参加した試験では、翌朝に注意力の低下もみられています。

また、翌朝(飲んでから約9時間後)の車の運転を調べた試験では、プラセボとのはっきりした差はありませんでしたが、10mgは5mgと比べて運転の能力がわずかに下がりました。

これは健康な人を対象にした試験で、飲んでいる間に運転してよいという意味ではありません。

翌朝の眠気やだるさが気になるときは、医師に相談しましょう。

夜中にトイレなどで起きるときは、ふらついて転ばないよう、ゆっくり起き上がりましょう。

デエビゴの副作用|眠気・頭痛・悪夢など

デエビゴの主な副作用

デエビゴの副作用で最も多いのは眠気で、ほかに頭痛やだるさ、悪夢などがあります。

主な副作用と頻度

主な副作用と、どのくらいの人に出たかをまとめました。

頻度主な副作用
3%以上眠気(10.7%)
頭痛(4.2%)
だるさ(3.1%)
1〜3%未満めまい、金縛りのような状態
(睡眠時麻痺)、異常な夢、悪夢
吐き気、体重増加
1%未満注意力の低下、幻覚、動悸
口の渇き、食欲が増える
転倒 など
頻度不明眠っている間の異常な行動
(睡眠時随伴症)

試験では、デエビゴを飲んだ884人のうち249人(28.2%)に、何らかの副作用がありました。

いつもと違う症状が続くときは、次の診察を待たずに医師や薬剤師に相談しましょう。

悪夢や金縛りが気になるとき

悪夢や金縛りの話を見聞きして、「デエビゴは怖い」と感じる人もいるかもしれません。

異常な夢や悪夢、金縛りのような状態(睡眠時麻痺)は、デエビゴの副作用として知られています。

尾内 隆志
尾内 隆志

監修者コメント

夢が鮮明になったり、金縛りのような感覚があったりすると、驚いて不安になりますよね。

副作用として知られている症状なので、あわてて自己判断でやめるのではなく、どんな症状がいつ出たかをメモして医師に伝えてください。つらいときや、夢と現実の区別がつきにくい、眠っている間に覚えのない行動をしているといったときは、次の診察を待たずに相談してください。量や薬の種類を見直すこともできます。

依存性について

デエビゴは、くせになる可能性に注意が必要な「習慣性医薬品」に指定されています。

海外では、薬物乱用の経験がある人に、ふつうの上限(10mg)より多い量も含めて飲んでもらう試験が行われました。

この試験では、「また使いたい」と感じる傾向(薬物嗜好性)がプラセボより強く、比べた睡眠薬(ゾルピデム、スボレキサント)と同じくらいでした。

症状が良くなったら続ける必要があるかを見直し、なんとなく飲み続けないことが大切です。

医師の指示どおりに飲み、量を増やしたい・やめたいときは、必ず医師に相談しましょう。

デエビゴを飲むときの注意点

デエビゴを飲むときの注意点

デエビゴを安全に使うには、飲むタイミング、食事、お酒、ほかの薬との飲み合わせに気をつけることが大切です。

就寝の直前に飲み、食事と同時・食直後は避ける

デエビゴは、寝る直前に飲む薬です。

飲んだあと、夜中に起きて仕事などをする予定がある日は飲まないでください。

食事と一緒や食後すぐに飲むと、効き始めが遅れることがあるので避けましょう。

お酒は飲まない

デエビゴを飲んでいる間は、お酒は飲まないでください。

お酒と一緒に飲むと、血液の中のデエビゴの量が増え(いちばん多いときの量は約35%、体に入った量の合計は約70%増える)、頭の働きや体の動きがさらに鈍くなるおそれがあります。

眠れないからといって、デエビゴとお酒を一緒に飲むのはやめましょう。

飲み合わせに注意が必要な薬

デエビゴは、体の中の「CYP3A」という酵素で分解されます。

そのため、この酵素の働きを変える薬などと一緒に飲むと、デエビゴの効き方が変わることがあります。

薬の種類(例)注意点
CYP3Aの働きを
弱める薬
(イトラコナゾール、
クラリスロマイシン、
エリスロマイシン、
フルコナゾール、
ベラパミルなど)
効き目が強く出るおそれ
一緒に飲めるかは医師が
慎重に判断し、飲む場合は
1日1回2.5mg
CYP3Aの働きを
強める薬
(リファンピシン、
フェニトインなど)
効き目が弱くなるおそれ
脳の働きを
おさえる薬
(気持ちを落ち着かせる
薬など)
効き目が強く出るおそれ
ほかの睡眠薬一緒に使ったときの
効き目や安全性は
確かめられていない

ほかの病院で出ている薬や、市販薬・サプリメントを飲んでいるときは、必ず医師や薬剤師に伝えましょう。

服用できない人・注意が必要な人

デエビゴの成分でアレルギー(過敏症)を起こしたことがある人や、肝臓の働きが重く悪い人は、デエビゴを飲めません。

次のような人は、医師が慎重に判断しながら使います。

  • 肝臓の働きが軽く〜中くらい悪い人(中くらいの人は1日5mgまで)
  • 腎臓の働きが重く悪い人
  • ナルコレプシーやカタプレキシーという病気がある人
  • 脳そのものに病気やけがによる障害がある人
  • 呼吸の働きが中くらい以上に悪い人(睡眠時無呼吸症候群やCOPDを含む)
  • 高齢の人(血液の中の薬の量が多くなりやすい)
  • 妊娠中・授乳中の人
  • 子ども(試験が行われていない)
尾内 隆志
尾内 隆志

監修者コメント

夜中にトイレで起きたときにふらついて転倒するのは、睡眠薬を飲んでいる方で特に気をつけたいことの一つです。

足元に明かりを置く、ゆっくり起き上がるなど、寝室の環境も一緒に整えておくと安心です。持病や飲んでいる薬が多い方は、処方のときに遠慮なく伝えてください。

デエビゴが効かないと感じる理由

デエビゴが効かないと感じるとき

デエビゴが効かないと感じるときは、薬そのものより、飲み方や生活習慣が影響していることもあります。

次のような点を振り返ってみましょう。

  • 夕食の直後や、食事と一緒に飲んでいる
  • 飲んでからすぐに寝床に入っていない
  • 眠くないのに早くから寝床に入り、長く横になっている
  • 寝る前にお酒を飲んだり、夕方以降にカフェインをとったりしている
  • 寝る直前までスマホやパソコンの画面を見ている

たとえば食後すぐに飲むと、効き始めが遅れることがあります。

また、眠れない原因にストレスや不安、うつ病、ほかの睡眠の病気などがあると、睡眠薬だけでは良くなりにくいこともあります。

眠れない日が続くと、「今夜も眠れなかったらどうしよう」という不安や緊張が強くなり、ますます眠れなくなる悪循環に入ることもあります。

眠れるかどうかを気にしすぎないことも、眠りを取り戻すうえで大切です。

尾内 隆志
尾内 隆志

監修者コメント

効かないと感じるときに、自分で錠数を増やすのは避けてください。量の上限は決まっていて、増やすと眠気などの副作用も出やすくなります。

飲むタイミングや寝床にいる時間を見直すだけで変わることもあるので、眠れた日・眠れなかった日の様子をメモして、診察のときに一緒に確認しましょう。

デエビゴは市販で買える?処方を受けるには

デエビゴは市販で買えるか

デエビゴは処方箋医薬品なので、ドラッグストアなどで買うことはできません。

デエビゴを使うには、医療機関で医師の診察を受け、処方してもらう必要があります。

眠れないことが気になるときは、心療内科・精神科や睡眠外来などで相談できます。

通院の時間がとりにくい人は、オンライン診療で睡眠の相談ができる医療機関もあります。

海外の通販サイト(個人輸入)は避ける

インターネットには、海外から睡眠薬を取り寄せる通販サイト(個人輸入代行)もあります。

こうしたサイトの薬は、品質や効き目、安全性が確かめられておらず、偽物の可能性もあるとして、厚生労働省も注意を呼びかけています。

個人輸入した薬で健康被害が起きても、国の「医薬品副作用被害救済制度」は使えません。

医師の診察や経過の確認が必要な薬を、受診せずに使うのはやめましょう。

市販の睡眠改善薬との違い

ドラッグストアで買える「睡眠改善薬」は、デエビゴとは成分も仕組みも違う薬です。

市販薬を使うときも、説明書に書かれた飲み方・量を守り、眠れない状態が続くときは医療機関に相談しましょう。

デエビゴのよくある質問・Q&A

Q
デエビゴは強い睡眠薬ですか?
A

デエビゴは、ほかの多くの睡眠薬と仕組みが違うため、単純に「強い・弱い」では比べられません。

ふつうは1日5mg、多くても1日10mgまでで、症状や体質に合わせて医師が量を決めます。

Q
デエビゴ5mgで何時間寝れますか?
A

何時間眠れるかは人によって違い、決まった時間はありません。

血液の中の薬がいちばん多くなるのは、飲んでから1〜1.5時間後です。

半減期は約50時間ですが、これは薬が体から抜けていく目安で、その間ずっと眠いという意味ではありません。

十分に眠れる時間をとれる日に、寝る直前に飲みましょう。

Q
デエビゴは毎日飲んでも大丈夫ですか?
A

医師の指示があれば、毎日飲むことがあります。

症状が良くなったら続ける必要があるかを見直すので、飲み続けてよいかは医師と相談しながら決めましょう。

Q
デエビゴとベルソムラの違いは何ですか?
A

どちらも、目を覚ましておくオレキシンの働きをおさえる仕組みの睡眠薬です。

ただし、成分や量、飲み合わせの注意などが違うため、どちらが合うかは医師が症状や体質を見て判断します。

Q
デエビゴを飲むと太りますか?
A

副作用として、体重が増える(1〜3%未満)、食欲が増える(1%未満)ことが知られています。

体重の変化が気になるときは、医師に相談しましょう。

Q
デエビゴを飲んだ翌日に眠気が残るときはどうすればいいですか?
A

眠気は、デエビゴで最も多い副作用です。

デエビゴを飲んでいる間は、眠気があるかどうかにかかわらず、車の運転や危険をともなう作業は避けましょう。

眠気が続くようなら、量や飲むタイミングを医師に相談しましょう。

Q
デエビゴを飲む日にお酒を飲んでもいいですか?
A

デエビゴを飲む日は、お酒は避けましょう。

一緒に飲むと血液の中の薬の量が増え、頭の働きや体の動きがさらに鈍くなるおそれがあります。

Q
デエビゴをやめたいときはどうすればいいですか?
A

自己判断で急にやめず、まずは処方した医師に相談しましょう。

眠りの状態や生活への影響を確認しながら、やめ方や減らし方を一緒に考えてもらえます。

参考資料

この記事の監修

葛飾橋病院 院長
尾内 隆志

葛飾橋病院診療案内

― ごあいさつ ―

葛飾橋病院は昭和32年の開院以来、地域の皆様や多くの病院の方々にご協力をいただき、半世紀をこえる歴史を重ねてまいりました。
当コラム記事ではさまざまな心の病を持っている方のお手伝いができればと考えています。

  • 平成12年4月〜平成13年5月 東京大学医学部附属病院 精神神経科
  • 平成13年6月〜平成15年5月 財団法人 金森和心会 針生々丘病院 精神科
  • 平成15年6月〜平成17年5月 医療法人社団 柏水会 初石病院 精神科
  • 平成17年6月〜平成18年12月 医療法人社団 健仁会 手賀沼病院 精神科
  • 平成19年1月〜 医療法人遮断 一秀会 葛飾橋病院 理事長
  • 精神保健指定医
  • 認定精神科医
  • 日本精神神経学会専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本医師会会員
  • 日本精神科病院協会 会員
  • 東京精神科病院協会 会員
  • 東京都病院協会 会員
  • ル・ソラリオン葛飾非常勤(嘱託)医師
この記事を書いた人
葛飾橋病院スタッフ

葛飾橋病院のコラムページでは長年の地域精神の実績を踏まえた上で、地域に根づいた診療を行うとともに心の病で悩んでいる方に、精神科医の目線での情報を発信していくコラムページになります。
少しでも気持ちを落ち着いていただけるようにコラム記事を書いていきますのでよろしくお願いいたします。

葛飾橋病院スタッフをフォローする
精神